BRAINDEAD

ブレインデッド (1992 ニュージーランド)

 今では有名になってしまった天才ピーター・ジャクソンの映画です。まあ、この映画、当時からB級ホラー界では超有名なバカスプラッタと呼ばれていたので、知ってはいたのですがあまりに有名なので観てませんでした。

 もともとスプラッタもホラーも好きなのですが、雰囲気の無い作品とか、デザインが崩れてる系のとか、ただアンデッドがワラワラというのはあまり好きでは無いので、観てなくても不思議ではないのですが。


 で、観ました。昨日の深夜に。見応えありました。1時間40分程度の長さなのに、2時間30分くらいの映画を観た気分です。特に最後の30分が息も尽かせぬ展開で、ここだけでも3倍くらいの長さに感じましたよ。

 B級映画だと思ってましたが、雰囲気や映像作りは昔のA級でした。1992年作品ですが、70年代から80年代初頭の映画を狙って*1(笑) オマージュ*2した感じでした。


 映画としての展開は、『ナイトオヴザリヴィングデッドを観た人がいろいろ思いついたままをやっちゃいましたよ』的な面白い映画です。まあ、昔の映画はどこか変で笑えるところがあるんですよね。

 スプラッタ具合は、昔観たレンタルのパッケージの評かなんかに、血は出る量が一線を越えたらコメディになるとかかんとか書いてあったり、またこの映画はホラーじゃないと言う人も居たりしますが、その辺は自分からすれば諸々の俗に言うゾンビ映画と大差は無いので、ホラーか否かはどうでもいいです。ゾンビ映画のリアリティの無い人体表現の時点で自分的にはすでに一線越えてますし。

 で、この映画のすごい所。笑える展開と最後の無茶苦茶なラッシュにも関わらず、しっかりとストーリーが立ってるところ。この辺の作りが天才たる所以なのでしょうね。他のゾンビ映画とは一線を画きます。後から思いついていろいろ設定付けたりするシリーズ物映画には見習って欲しいくらいです。

 この映画、ロード・オヴ・ザ・リング観た人にはぜひ観てもらいたいです。ニュージーランド映画の凄さがあります。できれば食後を外して(笑)


 そういや、ロード・オヴ・ザ・リングが放映された当初、チャットで『監督がブレインデッドとかいうホラー映画撮ってたらしい』と聞かされて、爆笑したことがありました。ロード・オヴ・ザ・リングは面白い映画でしたが、オークやトロルがホラー系のちょっと崩れデザインなのが気になりました。。。



 ホラー映画に分類されてる映画では、自分的には、理屈で説明できないタイプの作品がホラーって認識がありますね。理屈で説明できるのはホラーってイメージが無いかな。最近の邦画ホラーはちょっと狙い過ぎでどれも面白くないですけど。

 ブレインデッドみたいな、愛すべきバカ映画というのは何故か心に残ります。バタリアン(Return of the Livingdead)三作目の『バタリアン・リターンズ』とか。それまでのシリーズは『笑えるけど、それだけの映画』だったのが、感動のバカホラーになってましたし。ああいうの好きです。

 自分にとってホラーというとやっぱオカルトホラー。それも、SFXとかが無い、アメリカを舞台にしたカーホラー(?)がいいですね。 『激突』(オカルトか?(笑))とか『悪魔の追跡/RACE WITH THE DEVIL』とか怖くて好きです。『ジーパーズ・クリーパーズ』もこのノリなら良かったんだけど、後半興ざめでガックリでした。

*1:そのままの意味でなく、そういう意味。観た人ならわかるでしょ?w

*2:最初なんか『オーメン』かいなとw しかも当時の映画の『変さ』をわざと作ったのかいなとw